天神山自然公園

PARK

子供たちが遊べる自然公園

山の中、つまり自然公園で大切なことは
遊びの中で少しずつ「危険を察知できる感覚」を身に着けられることです。
これは「安全」を謳う今の時代とは逆行することかも知れません。

私が子供の頃は自然が遊び相手でした。
    *石の上を歩けば、石が転がる
    *木をつかんで崖を登ったら、木が折れる
    *濡れた葉っぱや苔の上を歩けば滑る  などなど

そんなことを、兄や年上の人と、鬼ごっこや探検などの遊びの中で教わりました。
「○○ したら ✕✕ するかも知れない」
これは、現在では「危険予知」と言う学問になっており、工場や工事現場、自動車の運転など様々なところで活用されています。

安全、安全、安全・・・
当たり前の安全の中に潜む危険ほど、気付きにくいものはありません。

安全が保障された公園の遊具でケガをする子供たちが増えています。
通尾天神山では山内を
自然公園遊び 初級者エリア
自然公園遊び 中級者エリア
自然公園遊び 上級者エリア
の3つに分けて、
少しずつ遊びの中で「危険を察知できる感覚」を身に着けられるようにしていきたいと思っています。

自然体験

カブトムシの保護

1980年頃の天神山には、たくさんのカブトムシがいましたが、天神山の周囲に家が立ち並び始める
と同時に、カブトムシの数は次第に減ってきました。
採取した人は、カブトムシが死ぬとそのまま木屑と一緒に捨ててしまったのでしょう。

カブトムシが死んでしまっても木屑ごと天神山に返せば、今もたくさんいたかも知れません。
なぜなら木屑に卵を産んでいたりするからです。
めっきり見かけなくなったカブトムシですが、近年山掃除をすると、土の中に幼虫を見つけることが
あります。
それを、蛇などに襲われない様に一ヶ所にまとめ、成虫まで保護しています。

木の枝をチップにしたカブトムシの寝床

椎茸種駒打ち

2~3月頃になると、秋に切ったクヌギに椎茸の種駒を打ちます。
昔は一日仕事でした。
焚火をして、蝋を溶かします。
くちばしが付いたハンマーでクヌギに穴をあけ、椎茸菌を含んだ木屑をそこに埋め、蝋で蓋をする
のです。
今は凄く速いです。
電動ドリルで穴をあけ、椎茸菌を含んだ駒を打ちこむだけです。
このような体験を子供たちだけでなく大人も一緒に楽しんでいきたいと思います。

古井戸を再生利用

1975年頃、天神山にも水道が引かれ、また、配管の劣化により、井戸水の使用頻度が下がり、
1980年頃には使用することが無くなりました。
しかし今でも天神山の井戸には豊富に地下水があります。
数年前に水質検査を行ったところ、水質には異状無しとのことでしたので、40年ぶりに再活用出来る
よう準備を始めました。

井戸の中に建屋が落ちないように気を付けながら解体です。

井戸周りから出たコンクリートを拳くらいの大きさに砕き敷き詰める作業です。
同時に井戸が想像以上に脆いので、これ以上崩れ過ぎないための修復作業をします。
周囲をモルタルで補強です。
水平にレベルを出してしっかり乾燥させ、そこに土管を置いて、井戸をすっぽり覆う様にしました。

コンクリートで固め、ようやくそれらしくなりました。
ひとまず補強完成です。
古い水の掻き出しや、屋根の設置などまだまだ先は長いです。

ポンプを借りてきて井戸の水さらいです。
再度水質検査はしないといけませんが、かなり綺麗な水です。

今後、ポンプを設置して汲み上げ「夏は冷たく冬は温かい井戸水」を子どもたちに体験してもらいたいと思っています。

将来的ビジョン

井戸水配管

赤線で示す様に、井戸から庭まで配管し、途中に水琴窟茶室用の手水を作り、さらには、新たに参道を挟んで左側のエリアに作る坂本菊畑へ散水できるようにしようと思っています。