通尾(かよお)天神山は比叡山の麓にあります。
天神社は、明治41年に近くの倭神社(森本神社)に合祀され、現在では天神社址地には石碑が残るのみです。
特集:倭神社(森本神社)
坂本から大阪船場に出て商売をしていた初代庵主は、
出口王仁三郎氏から 「ここは全て焼け野原になってしまう」
との言葉を聞き、早々に坂本に戻り、昭和16年に天神山址地に庵を構えました。
まだ第二次世界大戦の足音も聞こえないくらいの頃でした。
以来、写真にある大きな神棚の中央には
大本(おほもと(宗教法人大本))のご祭神の大本皇大神(おおもとすめおおみかみ)
国常立尊(くにとこたちのみこと)厳霊(いずみたま) 「艮の金神(うしとらのこんじん)」
豊雲野尊(とよくもぬのみこと) 瑞霊(みずみたま)「坤の金神(ひつじさるのこんじん)」
を始めとする善の神々と、
左側には通尾(かよお)天神社ご祭神の菅原道真公を、
右側2つには「祖霊神」をお祀りしています。
特集:菅原道真公について
松風庵の大きな神棚にお祀りしている、国常立尊と豊雲野尊
国常立尊は善の神様で、善行に対しての神政はものすごく厳しく、多くの神々がその厳しさに不満を募らせました。
そしてとうとう、国常立尊は世界の北東の方角(丑寅=艮(うしとら))に、
その妻神様である豊雲野尊は、南西の方角(未申=坤(ひつじさる))に、封じ込められてしまいました。
その「世界の東北」にあたるのが「日本」だという説もあります。
ちなみにこの神代の時代では、男女のような区別はありませんが、一対の神様として「ご夫婦神様」という認識をしています。
それ以来、
国常立尊のことを「艮の金神(うしとらのこんじん)」
豊雲野尊のことを「坤の金神(ひつじさるのこんじん)」
と呼ぶ様になりました。
また、国常立尊は三千年の間隠退されて、その間霊界にいて閻魔大王となりました。
「艮」とは「丑寅」のことですから、「鬼」は牛のような角が生えた頭に、虎柄のパンツを履いているとされました。
国常立尊をお祀りする神社では、
節分の豆まきの際、「鬼は外」ではなく、「鬼は内!福は内!」と言うところもあります。
また丁寧に、「鬼は内!福は内!魔物外!」という神社もあります。
「鬼」と「魔物」は違うのです。
例えば「鬼門封じ」という言葉がありますが、封じないで
『 鬼神様に入ってきてもらい魔物を追い出して戴く 』
ということです。
よって、松風庵の神棚は、
鬼門の神様の国常立尊(くにとこたちのみこと)、
裏鬼門の神様の豊雲野尊(とよくもぬのみこと)、
雷神様の菅原道真公、
と全員、魔物を追い出してくださる「鬼神様」なのです。
神さんのお話
これらのご祭神について調べるに際し、
多くの神様が現在に伝わる神話とは全く違うことに気付き
そのことについてつらつらと書き連ねる神さんのお話です。
多くの説を参考にしながら独自の解釈で書いたものですので
あくまでもファンタジーとしてお愉しみ頂けましたら幸いです。
天神山歳時記
ヒヨドリのピーちゃん小咄
山の中での暮らしや、
天神山を訪れる鳥や動物や山を彩る草花や樹木、
日本の年中行事などの歳時記のお話、
山に来るたくさんの動物たちとの出来事(実話)などを、
通尾天神山を住家とするヒヨドリの目線で綴る歳時記のお話です。
小さなお子様と共にお愉しみ頂けましたら幸いです。