アポトーシス
アポトーシス。
紅葉のあまりにも美しい姿を見ると、
不意にこの言葉を思い出します。
アポトーシスとは、
あらかじめプログラムされた細胞死のことで、植物の落ち葉など、生命が生きるためには、死んでもらわなければいけない細胞があるのです。
紅葉のあの紅い輝きは、
幹を生かせるための最後の輝きだそうです。
紅葉が美しければ美しいほど、この言葉を思い出します。
また、ネイティヴアメリカンの気持ちをナンシー・ウッド氏が著したこんな詩があります。
「今日は死ぬのにもってこいの日」
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。
すべての声が、わたしの中で合唱している。
すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやってきた。
あらゆる悪い考えは、わたしから立ち去っていった。
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
わたしの土地は、わたしを静かに取り巻いている。
わたしの畑は、もう耕されることはない。
わたしの家は笑いに満ちている。
子どもたちは、うちに帰ってきた。
そう、今日は死ぬのにもってこいの日だ。
アングロサクソンに虐げられた、
ネイティヴアメリカンの誇り高き死生観は、この紅葉そのものかも知れません。